老舗企業の新たな挑戦。

企業の平均寿命は一般的に30年と言われている中で、創業から100年近く、またそれ以上続けるのは簡単なことではありません。しかし、日本は長寿企業大国と言われているほど、創業100年超えの企業が世界に比べて多い国です。創業200年以上の企業も日本には数多くあります。現在では、新型コロナウイルスをはじめ、予期せぬ出来事も多いですが、過去にもそのような危機を何度も乗り越え、長く継続されている秘訣や新たな挑戦など、お聞きしました。

明治29年創業、株式会社 御園座

「東西に負けない、一流の劇場を名古屋につくりたい」という創業者長谷川太兵衛の固い決意のもと、劇場として名古屋初の株式組織「名古屋劇場株式会社御園座」として創立しました。明治座を参考に、当時の日本を代表するようなモダンな建物として注目を集め、明治30年「御園座」は開場しました。当時、柿葺落(こけらおとし)興行は劇場内に入りきれない程のお客様が来場し、劇場の外にも人が溢れかえっていたそうです。その後、戦争や火災による2度の焼失などを乗り越え、2017年に御園座、商業施設、分譲マンションを有する現在の御園座タワーが完成しました。創業より百二十年の間で、世の中は大きく変わりました。皆様に支えられつくられた、みんなの劇場である「御園座」は、これからも未来を拓く夢創造企業として、歴史と伝統を踏まえ、新しい時代のニーズに合った様々なジャンルの演目を行い、より多くの人々に感動を与え続けてまいります。

大正11年創業、株式会社 伊藤工務店

創業者伊藤卯之助が、大阪にて創業し、西洋から学んだ煉瓦石の建築技術でお客様の要望に応えたことが最初の仕事でした。創業以来、「安全に、より良い品質を安く、早く」を追求した企業活動とお客様の建築に対する様々な御要望に応えるべく努力致してまいりました。将来に向かって歴史の中で培った、お客様よりの信頼を裏切る事なく更に信頼される企業と成るべく品質管理の徹底、工期の短縮、経済性の追求、人命の尊重に努めています。信用という目に見えない価値は、手に入れるのは長い年月が必要ですが、失うのは一瞬です。常に誠実に、仕事に向き合う。技術力とともにお客様のために全力を注ぐ姿勢を、今までもこれからも大事にしていきます。

大正5年創業、株式会社 妙香園

名古屋では、七代尾張藩主・徳川宗春のもとで「茶の湯」が広められ、幕末のころには日常の団らんの場でも抹茶が盛んに飲まれるようになりました。そんな茶どころ名古屋において、妙香園は日本一の茶舗を目指し、専門店としてのれんを掲げてきました。創業以来、「良いお茶は心を潤す」の意が込められた「茗茶潤心(めいちゃじゅんしん)」の四文字を大切にしています。創業から変わらないのは、全国から集めている良いお茶を合組していることです。(産地や品種、蒸し具合などが異なるお茶の特長を見極め、ブレンドすること。)逆に時代に合わせて新たな取組にもチャレンジしています。お茶は急須で飲むのが当たり前だった時代から、日本の文化を今らしくをキーワードに京都宇治産の高級抹茶を使用した抹茶ラテや、店頭で煎りたての「ほうじ茶」を使用したフローズンほうじ茶なども展開しています。お茶で一服、という言葉があるように、お茶の効能・効果もさることながら、「ほっと一息つける」そんな心の癒やしがお茶を飲むことにあります。伊勢湾台風など過去の大きな災害時にも先祖がお茶を配ったことで、多くの方々に喜ばれたと聞いています。これから200年、300年と続いていく会社として、お茶の文化を守る活動をしていきたいと考えています。お茶を通して、食の提案からライフスタイルにも踏み込んだ提案ができるよう、進めていきたいと思います。

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